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下記は平成14年5月21日付発行のNNA(Malaysia)SDN.BHD新聞に 掲載された山田惇合気道師範インタビューです。NNA(Malaysia)SDN.BHD社のご厚意によりクアラルンプルに於ける山田師範近況を アカデミー合気道塾(1971年設立時は合気会マレーシア)のホームページを通じて皆様にお知らせできる運びになりました。尚、記事に そった写真を附加掲載致しました。


2002年(平成14年) 5月21日火曜日

在マレ-シア30年を
迎えて気概横溢な山田惇師範と植芝守央道主

日本マレ-シア武道大会にて親子演武の山田師範と子息篤五段(2001年9月23日)

アカデミー合気道塾山田 惇師範、7段

サラワク州で合気道を普及するため、1971年にマレーシアに移り住んでから31年間、地方に密着して弟子の指導に当ってきた。 昨年には創立 30周年行事を国内3ヶ所で開催したほか、アカデミー合気道塾の本部道場をクアラルンプールに移転。指導活動をさらに拡大する意気込みだ。

山田師範がマレーシアで合気道を広めることになったのは、サラワク州のアブドル・ラフマン州首相(当時)が精神面の鍛錬を重視した武術を同州に普及させるに当って、合気道を選択したことがきっかけ。

護身術として知られる合気道が他の武道と根本的に違うのは、合気道には試合が無く、人を相手に戦うものではないところ。

2002年9月23日、マレ-シア元副首相トゥン・ガファ-・ババ合気会マレ-シア名誉会長を表敬訪問した植芝守央道主 前サラワク州主席大臣トウン・ヤコブは1971年故植芝吉祥丸道主を本部に訪ね、マレ-シア・
クチンに於ける指導者派遣を要請した。「身心を高揚させる合気道鍛錬の及ぼす影響は図り知れない」と高邁な合気道哲学を讃詞される

この武道には勝ち負けがない。アブドル州首相は、人を攻撃しないという特性のほか、円の動きを基本とする合気道に、イスラム教の治世術と共通するものがあるという点を見出し、同州での合気道の普及を決めたという。大学在学中にインドネシア語を学んだという山田師範。当時の合気会には、マレー語は勿論、これに近いインドネシア語が話せる会員も他にいなかったため、山田師範の派遣は自然な流れだった。

サラワク州に派遣された翌年、山田師範は州首相官邸で喜美子夫人との結婚式を挙げた。

幼くも兄に倣って道着をつけた砂英三段、慶応在学中に合気会合気道部を創設。合気会マレ-シア創立30周年大会では道主の通訳。若松町の本部道場と目黒道場にての稽古は欠かさない

30年前のサラワク州の日本人人口は現在と同様に少なく、日本食のレストランなど一軒もなかったと云うが、サラワク州の食べ物や暮らしにはすんなりとなじむことができた。
2人の子どもも、まわりのマレー人の
子どもたちと机を並べて育ったという

イスラム教徒は朝の礼拝が5時半ごろから始まるため、早起き。その為、山田師範は合気道の指導に朝げいこを取り入れた。

もの心つく頃には道着をつけ欣喜雀躍した長男篤五段

当初30人程度だった生徒は増え続け、これまでにサラワク州クチンで道場に通った経験がある人の数は、約1000人に上がっているという。

クチンのほか、1993年にはクアラルンプールにある国際イスラム大学で合気道部の指導を開始。

1995年にはブルネイのモハメド・ボルキア外相から個人指導を要請され、同国にも渡っている。

マレ-シア国家警察合気道指南の山田惇師範。 全-シア選抜諸武道有段者が特訓に励んだ。 有終の美を飾る記念撮影(2002年6月8日)

地道な指導を通じて、古巣のクチンにはマレー人の一番弟子が育った。又、長年の指導経験が認められ、昨年に連邦政府の警察当局から警察官の指導要請を受けたのを転機にクアラルンプールに転居。これに伴い、本部道場もクチンからクアラルンプールへ移転。 アカデミー合気道塾に名称改め名誉会長にガファール・ババ元副首相を迎えた。

警察でのけいこは今月(2002年5月)から本格的に始まっている。又、これに先立ち今年2月には、サラワク州出身の閣僚、エフェンデイ・ノルワウイ農相への指導も開始した。クチンではマレー人が弟子の大半を占めていたが、クアラルンプールの道場では華人が主体。ただ、人種は変わっても日本文化を紹介するという点で、山田師範の指導方針は変わらない。

マレーシア滞在歴が30年を超えた山田師範。日本人が比較的多いクアラルンプールで驚くのは、日本人で合気道を知らない人が多いという事。合気道は段を取るまでの年数が3年以上と他の武道に比べて道のりは長いというが続れば実力はつきそうだ。

 マレ-シアの核心道場としての役割をになう日本人会館合気道部道場開きには植芝守央現道主が演武を奉納(2002年9月24日)

日本人を対象としたけいこは、クアラルンプールの日本人会会館で行われている。

アカデミー合気道塾日本人会道場

No.2 Jalan  1/86、 Off Jalan Taman Seputeh、 58000 Kuala Lumpur、Malaysia.

電話及びファクス:+603-4266-2351

日本の合気道本部道場から国際部部長を迎えて、日本人会の道場開きが行われた。マレーシアに骨を埋める覚悟で指導を続ける山田師範。今後も合気道ファンは増えそうだ。

財団法人合気会理事並び国際部部長米持英夫先生をハルタマス道場に迎えての稽古指導もよう(2002年7月6日)

クアラルンプル日本人会合気道道場
開き神事に清廉さで臨んだ善男善女。米持英夫合気会本部理事は山田 惇師範と共に玉を奉納(2002年7月7日)

アカデミー合気道塾のホームページ
イスラム案内のホームページ

(聞き手:峰 はずき)

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